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Saraのインディアナ州-アメリカへの高校生-留学-体験談 2年目 A|高校留学ブログ日記

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Saraのインディアナ州(アメリカ)への高校生-留学-体験談 2年目 A

 

宗教2

   アメリカの宗教に関してとても驚いたことがいくつかある。英語のクラスで、1920年代に開かれた、進化論についての裁判を学んだ。ダーウィンの進化論を公立学校で教えることが一時期違法とされ、キリスト教聖書に基づく神が6日間で世界を作ったという創造論を信じる人々と、科学的な進化論を生徒に教えるべきだとする人々の間で論争になったのだ。現在でもこの創造論を信じる人々はとても多く、その数はアメリカの人口の4割から5割を占めると言われている。知識階級の人や科学者の中にも創造論者で進化論を否定する人がいるということにはさらに驚いた。私を含めて日本人は皆、イザナギとイザナミが日本を作ったという神話を知っているが、これが歴史的事実だと思っている人はいないだろう。科学技術が発達し続けているアメリカにおいて、自らの宗教的信条のもとに科学的な真実を曲げてしまう人々が多くいることにとても驚いた。ケンタッキー州に創造博物館という、創造論を支持する団体が建てた博物館がある。そこでは科学的見解とは程遠い、恐竜と人間が共存していた様子の模型が展示され、地球の年齢が数千年だったという説明がなされている。日本にも神話こそあるが、宗教を理由に科学が否定されることはない。

アメリカ滞在中に感じたことのもう一つは、仏教や神道以外の多くの宗教は排他的で他の宗教を互いに批判しがちだということがある。キリスト教はユダヤ教を否定し、イスラム教はキリスト教やユダヤ教を批判している。そして、ユダヤ教は自分たちだけが神に選ばれた人々であるという選民思想を持っている。突き詰めれば、同じ神を信じている人々でさえお互いに攻撃し合い、自分たちの宗教だけが正しいと信じて疑わないのである。
宗教熱心であるということは常によいことだろうか。今、世界に混乱を招いているISのメンバーや他の宗教的信条に基づくテロリストたちはしばしば宗教心が強く、聖典に書かれていることに忠実に従おうとしている。彼らはたとえどれほど残虐で道徳的に間違ったことをしようとも、自分たちの行為を宗教の名の下に正当化するのである。宗教は本来、人々が助け合ってよりよく生きられるように導くものであるが、一方でもし私たちがそれを盲目的に信じてしまえば危険でもあるのだ。テロリストが何の罪もない人を残忍に殺しておきながら、自分たちは神に導かれているのだなどと言うのを聞くと、強い嫌悪を感じる。宗教は人々の生活を豊かにする一方で、害も与えうるのだ。

日本人はしばしば無宗教であると言われるが、ほとんどの人は仏教と神道を信じている。私たちは他の宗教を積極的に攻撃したりせず、むしろ尊重して様々な宗教を部分的に生活の中に取り入れてきた。歴史的には、ときの権力者がキリスト教を弾劾したこともあったが、それでも日本人は自分たちの宗教だけが正しいと思わず、他の宗教に対して寛容であった。このことは日本人が世界に誇れるすばらしいことだと思う。世界では宗教紛争が絶えず起こり、ISや他の偏った原理主義が威力を増してきている。今こそ日本はこの宗教的寛容さを世界に広めていくことで、世界を平和に導くリーダーとなれるだろうし、そしてなるべきだと思う。

 

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